高校1年生相当の女子の皆さまは、2027年3月末までが公費の期限です
子宮頸がんの予防に有効なHPVワクチンを公費(無料)で接種できるのは、高校1年生相当の年度末までです。
今年度、高校1年生相当の方(平成22年4月2日~平成23年4月1日生まれ)は、2027年3月31日までが公費で接種できる最後の期間となります。
HPVワクチンは、接種を開始する年齢によって、2回または3回の接種が必要です。
- 15歳になる前に1回目を接種する場合:原則2回
- 15歳になってから1回目を接種する場合:3回
3回接種の場合、標準的には「初回・2か月後・6か月後」に接種します。そのため、高校1年生でまだ一度も接種していない方が、年度内に標準的なスケジュールで3回の接種を完了するには、9月頃までに1回目を接種することが大切です。
なお、2027年3月31日までに3回すべてを完了できなかった場合でも、年度内に接種した分については公費接種となります。一方、定期接種の対象期間を過ぎてからの接種は原則として任意接種(自費)となり、3回接種では合計約9万円の自己負担が必要になることがあります。
HPVワクチンのキャッチアップは終了しました
HPVワクチンは、2013年から約8年間、積極的な接種勧奨が差し控えられていました。そのため、公費で接種する機会を逃した世代を対象に「キャッチアップ接種」が行われ、その後、条件を満たした方については2026年3月31日まで経過措置が設けられていました。このキャッチアップ接種および経過措置は、2026年3月31日をもって終了しています。現在、公費でHPVワクチンを接種できるのは、原則として小学6年生から高校1年生相当までの女子です。
「高校1年生になってから考えよう」と思っていると、3回の接種を年度内に終えられない可能性があります。できれば中学生のうちに、まだ接種していない高校1年生の方は、ぜひこの機会に接種について考えてみてください。
HPVワクチンとは?
子宮頸がんの多くは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因となって発症します。現在、公費で接種できるHPVワクチンは、**9価HPVワクチン(シルガード9)**です。9価HPVワクチンは、子宮頸がんの原因の80~90%を占める7種類のHPV(16・18・31・33・45・52・58型)の感染を予防することができます。
日本では毎年約1.1万人の女性が子宮頸がんにかかり、約3,000人が亡くなっています。若い世代にもみられるがんで、30歳代までに子宮頸がんの治療によって子宮を失う方もいます。HPVワクチンは、HPVに感染する前の若い時期に接種することで、より高い予防効果が期待できます。
子宮頸がんワクチンの予防効果
・我が国では子宮頸がんにおいて、ほぼ100%がHPV陽性
・HPVワクチンの効果
HPV-16, 18による子宮頸がんの予防効果;90%以上
HPVのタイプを問わない子宮頸がんの予防効果;65%
・ HPVワクチン接種により、10万人あたり859~595人の子宮頸がん罹患を防ぐ
・ HPVワクチン接種により、10万人あたり209~144人 の子宮頸がん死亡を防ぐ
2013年~2021年にかけて、ワクチン接種後に生じうる多様な症状等についての情報が不十分であったことよりHPVワクチン接種の差し控えがあり、公費で接種できる機会を逃している方が多くおられます。2021年11月、十分な安全性が確認され、また接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると認められたことで、接種勧奨の再開に至りました。HPVワクチンの効果について、16歳頃までに接種するのが良いとされていますが、それ以上の年齢でもある程度の有効性が示されています。
ワクチンと子宮頸がん検診、両方が大切です
HPVワクチンですべての子宮頸がんを予防できるわけではありません。そのため、ワクチンを接種した方も、将来は定期的に子宮頸がん検診を受けることが大切です。
「HPVワクチンで予防すること」と「検診で早期発見すること」――この2つが子宮頸がん予防の大切な柱です。
HPVワクチンを接種するか迷っている方、副反応について心配な方、以前に1回だけ接種してそのままになっている方など、気になることがあれば診察時にお気軽にご相談ください。接種する・しないを決める前に、まず正しい情報を知っていただくことが大切だと考えています。
<参考資料>
京都市:ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの定期予防接種について
子宮頸がんとHPVワクチンに関する正しい理解のために – 公益社団法人 日本産科婦人科学会
予防接種・感染症情報|会員・医療関係者の方|公益社団法人 日本小児科学会
おおやぶ内科・整形外科 副院長 大藪 知香子
糖尿病内科専門医・指導医 総合内科専門医