糖尿病
血糖を下げるホルモンであるインスリンの働きが足りず、血糖が高い状態が続く病気。
1型糖尿病 | 2型糖尿病 |
若年に多いタイプ。膵臓のβ細胞が破壊されてインスリンが分泌されなくなる。 インスリン注射が必要。 |
多くの糖尿病のタイプ。遺伝的な要素、過食(高脂肪食)・肥満・運動不足・ストレスなどが加わり発病する。 |
妊娠糖尿病 | その他 |
妊娠をきっかけに発症する。 妊娠中は厳格な血糖コントロールが必要。 |
膵臓の病気、肝臓の病気、ホルモンの病気、ステロイド治療などによって発症する。 |
糖尿病の合併症症状
糖尿病の診療にとって、問診は非常に重要な情報です。
その他に、糖尿病に関する知識、悩み、糖尿病によるストレス、治療への不満、家族や職場のサポート体制、将来の生き方など、患者様ひとりひとりに治療を考えていくためにとても大切です。
10時間以上何も食べていない状態で測る血糖値
この検査が必要な方とは・・・
2か月間の血糖値の平均をあらわす値
これは、すでに糖尿病の初期の状態です。
※「HbA1c ≧ 6.5%」のみでは糖尿病と診断されません。
※「尿糖」は糖尿病の診断には用いません。
腎症のステージ(5段階)を尿中微量アルブミン・蛋白尿で評価します。
手足のしびれや痛み、感覚異常、腱反射のチェック、また足病変が疑われる場合はフットケアを行います。
自律神経障害(立ちくらみ、便秘・下痢)を確認します。
糖尿病網膜症の評価には眼底検査が必要です。
お近くの眼科への受診をすすめております。
狭心症、心筋梗塞、脳卒中、足の動脈狭窄などの大血管症を合併することが多く、定期的に心電図やレントゲン、エコー検査を行います。疑わしい場合は総合病院で精査頂くよう紹介いたします。
歯周病の合併が多いため、定期的な歯科検診をすすめております。
肺炎や尿路感染症、白癬、蜂窩織炎などの合併が多く、疑わしい場合は検査を行います。また、予防接種(インフルエンザ、肺炎球菌)も積極的にすすめます。
骨密度や骨質の低下(骨折しやすい)がみられやすく、骨密度検査で評価のが望ましいです。
大腸がん、すい臓がん、肝臓がん、乳がん、子宮がん、膀胱がんの発症リスクが上がると言われており、腫瘍マーカーや画像検査での定期検査が望ましいです。
アルツハイマー型認知症を発症しやすいと言われており、予防に努めます。また、重度の低血糖も認知症を引き起こすリスクが高くなるため、低血糖を起こさない治療が重要です。
・食事療法・運動療法・薬物療法の3つです。
・糖尿病をもつ患者さんそれぞれに最も適した治療を、一緒に見つけていきましょう。
・そのほか、家庭や職場環境、ストレス、併存する病気、周囲の方々のサポート状況も調整する必要があります。
・最も大切なことは、患者さんご本人が前向きに生き生きとした人生を歩むことだと考えています。
糖尿病の患者さんに適した食事や運動の詳しい内容はまた、医師ブログで紹介していきます。
以下の内服薬が血糖降下薬として主に用いられ、さらに今後も新薬も登場する予定です。
主にインスリンとGLP-1受容体作動薬を用います。色々な特徴をもつ薬が増え、ますます細やかな血糖コントロールが可能になります。
飲み薬、注射薬はどちらもそれぞれに特徴やメリットがあり、患者さんご自身と共により良い治療を考えていきます。薬剤についての詳しい情報は、医師ブログで紹介していきます。
指先で簡単に血糖が測定できます。(音声案内つき)
スマートフォンでも血糖値を記録できます。
血糖管理のほか、体重・血圧・食事量(写真)・歩数計・お薬ノートなどの機能で自己管理ができます。
糖尿病患者さんの5%程度を占める稀なタイプで、すい臓のインスリンを作り出す細胞(β細胞)が破壊されてしまう病気です。生活習慣や肥満とは関連せず、自己免疫(本来は病原体などを排除するための免疫が、自分の細胞を攻撃してしまう)により発症します。
通常はインスリン依存状態となり、常にインスリンの補充が必要となります。毎日数回のインスリン自己注射やインスリンポンプを用いて治療を続けます。(※ 緩徐進行1型糖尿病は少量のインスリンでコントロールが得られる場合があります。)ここ最近、いくつかの内服薬で1型糖尿病の患者さんでも使用できるようになりました。
1型糖尿病では、生活習慣病ではないため基本的に食事制限は必要としません。食事の糖質量(カーボ)から必要なインスリン量を計算するカーボカウントを取り入れます。ストレスなく、楽しみながら食生活を送ることを目指します。