やはり年末年始の人の移動を機に、徐々に再燃してきました。
京都でも例に漏れず、感染者数が急増しているようです。
おそらく、2月初旬より3回目のコロナワクチン接種が始まるかと思いますので、十分に免疫をつける事をお勧めします。
糖尿病をもつ方は、何らかのウイルスや細菌に感染した場合、重症化しやすいことが分かっています。
実際にレポートされた、米国からの報告です。
2020年2月~3月での新型コロナ感染者において、入院した患者、重症(ICU管理)患者の割合は、
明らかに糖尿病を持つ方が多かったとあります。
中国やイタリアからの報告でも、同様の傾向が得られています。
下図;日糖協のHPから抜粋
糖尿病をもつと、新型コロナ感染の重症化リスクが3.4倍に上昇
JMDC(日本の疫学データ管理会社)のデータによると、糖尿病をもつ患者さん(糖尿病治療を受けている方)は、そうでない方と比べて
COVID-19に感染した際の重症化リスクが高いことが分かりました。
2021年2月末までにCOVID-19で入院した約7,300名のうち、185名が『重症化(ICU管理)』しました。
この重症化した方々の背景から解析した結果です。
①糖尿病があると重症化リスクが3-4倍
②肥満(BMI>25)あると重症化リスクが1.8倍
③喫煙歴があると重症化リスクが1.6倍
④高血圧があると重症化リスクが1.6倍
こちらのデータだけでは、糖尿病の程度(HbA1cがどれほどか)による差が明らかではありません。
いずれにしても、糖尿病患者さんは特に感染対策を心がけ、早期のワクチン接種が望ましいと考えます。
なぜ、糖尿病で重症化しやすいの?
糖尿病をもつ方において、COVID-19重症化リスクが高くなる理由として、糖尿病では免疫力が下がることがあげられます。
①体内に侵入したウイルスや細菌を排除する白血球の働きが弱まる
②ウイルスや細菌の侵入を防御する抗体をつくる力が弱まる
③血流が悪いため、病原体に打ち勝てない
④感染を起こすと、より血糖が上がって悪循環になる
もちろん、血糖コントロールが安定している患者さんは、しっかりと免疫力も保たれます。
良好な糖尿病コントロールがとても大切です
中国からの報告では、血糖コントロール良好群(平均HbA1c 7.3%)とコントロール不良群(平均HbA1c 8.1%)では、
明らかにコントロール不良群の死亡率が高かったとの結果でした。
下図;日糖協のHPから抜粋
米国糖尿病学会(ADA)より、『糖尿病はCOVID-19重症化の重要な危険因子であり、糖尿病の治療が大変重要であるという意識が必要』とのコメントがなされています。
感染の蔓延による自粛が強いられることにより、活動量の低下、長い座位時間、スマホやパソコン依存、生活リズムの乱れ、不眠、
ストレス、不健康な食習慣・・など健康に支障をきたしているケースも見受けられます。
・人込みを避けて、マスクをして、短時間でも外出するようにしましょう。(外の空気は気持ちいい!)
・自宅でも体操やストレッチ、筋トレ、家事(掃除など)が良い運動になります。(新たな日課に!)
・スマホ・パソコン疲れに陥らないよう、少し離れてみましょう
・『早寝、早起き、1日3食、規則正しく』は、間違いなく良いです。
・外食しない分はコロナ節約!家庭の味、素材の味をじっくり楽しみましょう。
・日中によく活動して、頭を使って、夜は何も考えずにしっかり寝ましょう。
・今しかできないこと(読書、音楽、家庭菜園など)を見つけて、前向きに過ごしましょう。
コロナウイルスに罹らずとも、誰しもが身体に弊害が起こりかねない社会で、皆さまの健康を
維持するために何とかサポートしていきたいと思っている今日この頃です。
何とか、毎日の食事や運動、睡眠のリズムが崩れないように、
ストレスコントロールが乱れないように、
一緒に頑張っていきましょう。
おおやぶ内科・整形外科 副院長 大藪 知香子
糖尿病内科専門医・指導医 総合内科専門医