『フレイル』という言葉、知っていますか?

 

今、日本の医療の間でも大変トピックスとなっている問題です。

フレイルは、「要介護状態に至る前段階として位置づけられるが、身体的脆弱性のみならず精神・心理的脆弱性や社会的脆弱性などの多面的な問題を抱えやすく、自立障害や死亡を含む健康障害を招きやすいハイリスク状態を意味する。」と定義されています。

 

厚生労働省保険局・老健局 「高齢者の保健事業と介護予防の 一体的実施について」より抜粋

 

 

わかりやすくいうと、フレイルとは、高齢者に見られる身体的・認知的な衰弱状態を指します。

具体的には、

 

  • 筋力低下
  • 運動能力の低下
  • 疲労感
  • 体重減少
  • 認知機能の低下

 

などが挙げられます。

 

フレイルは、高齢者の健康状態の悪化や日常生活の質の低下、入院や介護の必要性の増加などを引き起こすことがあります。加齢に伴って身体の機能が低下するため、発症しやすいとされています。また、生活習慣病や慢性疾患、栄養不良、社会的孤立などがフレイルの原因となることがあります。フレイルの発症が早期に発見し、適切なケアを行うことが、健康状態の維持や日常生活の質の向上につながります。

 

 

フレイルは糖尿病を悪化させる?

 

フレイルと糖尿病は、高齢者の健康問題の一部であり両方とも慢性疾患であるため、相互に関連しながら悪循環を招きます。身体的フレイルの要因である[サルコペニア;筋力の衰え]は糖代謝に重要な骨格筋の疾患であり、糖尿病の予後を悪化させてしまうとされます。

一方、糖尿病は、フレイルの発症リスクを増加させる可能性があります。糖尿病患者は、高血糖による神経障害や血管障害が原因で、筋肉量が低下しやすく、筋力の低下や身体能力の低下が起こりやすいとされています。このような理由から、糖尿病を予防・管理することは、フレイルを予防するためにも重要です。また、フレイル予防がそのまま血糖コントロール改善にもつながるとも言われています。

よって、糖尿病患者では年齢に関わらず、フレイルやサルコペニアを早期に発見し、それに応じた対策を取る必要があります。一方で、血糖管理を厳格にすると予後が悪化する可能性もあるため、フレイルの確認をすることは非常に重要です。

 

フレイルチェック!

指輪っかテスト 「公益社団法人 東京都医師会」

 

イレブンチェック 「公益社団法人 東京都医師会」

解答欄の右側に⭕️が6つ以上つく人はフレイルの危険性が高い

 

確認してみましょう!

 

参考資料;

厚生労働省保険局・老健局 高齢者の保健事業と介護予防の
一体的実施について

東京都医師会 フレイル予防

 

おおやぶ内科・整形外科

理学療法士  濱崎 静香