夏本番!毎日とっても暑い日が続いておりますが、体調などはいかがでしょうか?

この8月で、当院も先代から継承・リニューアルをして早2周年となります。それに先立ち、新たな看護師が2名加わりました。今回は、そのうちの岡田看護師より『夏バテ』に関するお話をしてもらいました。

 


 

夏場になると「疲れがとれないない」「食欲が落ちる」「体がだるい」など不調を感じる方も多いのではないでしょうか?その症状は「夏バテ」かもしれません。

 

「夏バテとは」

夏の気温や湿度が高くなる変化に体がついていけず、自律神経が乱れることにより起こる体の不調の総称です。症状が長引くとによって、感染症や熱中症などにつながることもあり、注意が必要です。他、体内の水分やミネラルの不足・栄養不足・睡眠不足などが夏バテの原因になり、これらが重なりあうことによって夏バテは起こりやすくなります。

私たちの体は、自律神経の働きによって暑さを感じると汗をかいて熱を放散し、体温を一定に保ちます。ですが、真夏の室内外の温度差を繰り返し感じることによって、自律神経の働きが乱れてしまいます。

夏は他の季節に比べるとたくさんの汗をかくため、水分を多くとらないと脱水を起こします。特に高齢者は、若い人に比べて元々の体の水分量が少ないため、少しの脱水でもめまいや動機、意識ががもうろうとするなどの脱水症状が出てしまうこともあります。

「夏バテに効く薬」はないため、「自律神経を整える」ことが夏バテを予防、解消のために大切です。

 

~夏バテ対策としての自律神経を整える方法~

  • 「温度差、体の冷やしすぎに注意」

室内外の温度差が5℃以上になると、自律神経が乱れやすくなるそうです。エアコンの温度調整には気をつけましょう。冷房は環境省が推奨する「28℃」を目安にしましょう。

 

  • 「生活リズムを整える。質の良い睡眠をとる」

自律神経の働きを整えて疲れをためないためにも、規則正しく十分な睡眠をとりましょう。寝具は夏用のものを、扇風機の使用時も体に直接風を当てると体が冷えすぎたり、水分が奪われ脱水になることもあるので注意が必要です。

 

  • 「こまめな水分補給」

熱中症予防のためにも、水分補給はのどの渇きを感じる前に「早め」「こまめ」を意識することが大切です。特に、朝のうちに補給しておくと熱中症予防にも効果的です。また、起床時、入浴後、運動後にも水分補給を意識しましょう。冷たい飲み物は胃腸に負担をかけやすく、不調の原因になるため注意しましょう。

ただし、アルコールは水分補給にはなりません!かえって脱水を起こす危険があるため、注意してください。

高齢の方は、汗をかいていなくても、のどの渇きを感じる前から水やお茶などのこまめな水分摂取が重要です。

 

  • 「栄養バランスのよい食事を」

夏は、のどごしのよいそうめんなどを食べる機会が多かったりと炭水化物に偏った食事になりがちではないかと思います。疲労回復に必要な糖質を適度に摂取した上で、不足しやすいタンパク質、ビタミン、ミネラルもしっかりとることが重要です。肉、魚、卵、大豆製品などのタンパク質が多い食材と、ビタミンやミネラルを多く含む野菜も取り入れましょう

ビタミンB1は、疲労やだるさ、食欲不振の予防にも役立ち、夏バテ対策に重要な栄養素です。ビタミンB1を多く含む食品として、豚肉、うなぎ、玄米、ゴマなどが挙げられます。ビタミンB1の吸収を促進する「アリシン」という成分を含む、ニラやネギと一緒に食べるのもよいと思います。

紫外線や睡眠不足、疲労など多くのストレスにさらされる夏には、ビタミンCの消費量が増えるため、不足しないよう補給が大切です。ビタミンCを多く含む食品として、キウイ、レモン、パプリカ、ブロッコリー、枝豆、カボチャ、ゴーヤなどが挙げられます。

また、食欲増進効果の期待できる、香辛料や香味野菜を取り入れるのもおすすめです。カレー粉、ニンニク、コショウ、ワサビ、ミョウガ、ショウガ、青シソ、唐辛子、などを上手く活用してご飯がすすむメミューにも。また、レモンなどの柑橘系やお酢も食欲増進に役立つと言われています。オクラ、ナガイモなどのネバネバ食材の活用もよいでしょう。夏野菜代表のトマトやきゅうりもおすすめです。

 

  • 「適度な運動をする」

適度な運動は、ストレス解消やホルモンバランスの調整、眠りやすくなるなどの自律神経を整える効果があるといわれています。

冷房のきいた部屋でじっと動かずにいると、体が冷えすぎて筋肉のこわばりや代謝が悪くなったりすることも。また、胃腸の働きが悪くなることにより、食欲が出ないことも増えやすいです。そうなると体が疲れやすくなり、ますますバテるという悪循環に陥ってしまいます。無理に暑いところに出ていく必要はないので、短時間外に出たり、涼しい室内で軽い運動をするなど、少し汗をかくこともおすすめします。

 

「夏だから」と毎年諦めがちな夏バテですが、これらを参考に暑い夏を少しでも乗り切って元気に過ごしていただけると幸いです。

 

 

おおやぶ内科・整形外科

看護師 岡田 瑠美